【2025年第3四半期決算】大塚ホールディングス/大塚製薬を徹底解説!
成長製品・注目ポイント・今後の展望まとめ
著者:バイオベンチャーMRかいり|投稿日:2025年11月4日
◆ 大塚グループ 第3四半期決算ハイライト
大塚ホールディングス(証券コード:4578)は2025年12月期第3四半期(1〜9月)の連結決算を発表。売上・利益ともに過去最高水準を更新しました。
- 連結売上収益:1兆8,187億円(前年同期比+5.1%)
- 営業利益:3,962億円(前年同期比+31.5%)
- 親会社株主に帰属する当期利益:2,976億円(前年同期比+55.3%)
- 営業利益率:21.7% → 25.9% に改善
- 通期進捗率:売上で約90%、利益で85%以上に達し、順調に推移
特に医療関連事業が好調で、抗精神病薬・抗腫瘍薬などの主力品がグローバルで売上を牽引しました。
◆ セグメント別分析と主力製品の動向
1. 医療関連事業の成長が顕著
売上の約7割を占める医療関連事業がグループ成長の柱です。前年同期比+18%と好調。主に以下の製品が貢献しました。
- レキサルティ(抗精神病薬):米国・日本での処方数が伸長。2024年に「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥・興奮」で追加承認を取得。
- ロンサーフ(抗悪性腫瘍薬):大腸がん・胃がん領域での併用療法需要が拡大し、売上前年同期比+33%。
- エビリファイ・メンテナ、アシムトファイ(持続性注射剤):欧州での2ヵ月持続型製剤承認により切替進展。
2. ニュートラシューティカルズ事業も堅調
ポカリスエット・ボディメンテなどの国内ブランドが堅調で、海外ではアジア圏での売上拡大が続いています。健康意識の高まりを背景に、ドラッグストア・ECチャネルが収益源として成長中。
3. 海外展開とR&D投資のバランス
北米・欧州での販売拡大に加え、研究開発費も増加。先行投資が利益を圧迫する局面もありますが、中長期的には新製品群のポテンシャルが期待されています。
◆ MR・PM視点で注目すべきポイント
- コア製品の成長構造を理解する
適応拡大や長期持続製剤への切替など、開発・営業・マーケティングが一体となった戦略が奏功。MR活動でも「剤型・適応の変化を軸にした訴求」が有効です。 - 利益率改善の構造を把握する
生産効率化と販管費抑制で営業利益率が上昇。MRも「高収益製品の重点活動」を意識することで、組織全体のKPI達成に貢献できます。 - 第4四半期は利益確保が鍵
既に9割の進捗を達成しており、年末に向けての需要喚起(講演会・納入契約・症例拡大など)が重要になります。 - 次期(2026年度)への布石
新剤・適応拡大候補を早期に市場へ浸透させる“プレディテール活動”が次期成功の鍵となります。
◆ リスクと課題
- 研究開発費の先行投資リスク:新規モダリティや腫瘍領域での開発コストが増加傾向。
- 特許切れ影響:既存品(例:サムスカ)の減収を補う新製品育成が急務。
- 為替・海外リスク:ドル円変動が利益に直結。米国事業比率の高さゆえ影響大。
◆ 今後の展望とまとめ
2025年第3四半期決算は、大塚製薬グループの強さを改めて示す結果となりました。精神・がん領域の主力品が牽引し、ヘルスケア事業との両輪で収益基盤を強化しています。
MRやプロダクトマネージャーにとっては、製品ライフサイクル戦略(PLC)の精緻化と、デジタル・リアルのハイブリッド活動をどう展開するかが次の課題です。
グローバル競争の中で「適応拡大・剤型変革・疾患啓発」を軸に攻めの戦略を取れるMRこそが、次代のリーダーとなるでしょう。
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出典:大塚ホールディングス 決算短信(2025年12月期第3四半期)、株探、みんかぶ、Yahoo!ファイナンス他。
※本記事は情報提供を目的としており、投資助言ではありません。
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