UCB、成長加速とパイプライン拡大が鮮明に今後の新薬開発とMR組織拡大の可能性を探る

バイオベンチャー企業研究
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UCB PIPELINE & BUSINESS OUTLOOK 2026

UCB、成長加速とパイプライン拡大が鮮明に
今後の新薬開発とMR組織拡大の可能性を探る

BIMZELX、Rystiggo、Zilbrysqを軸に売上が急拡大。免疫、神経、希少疾患、呼吸器へ広がる開発パイプラインから、今後の営業組織の変化を読み解きます。

ジェイエイシーリクルートメント

UCBは、既存製品の成長と後期開発品の充実が同時に進む、現在の製薬業界でも勢いのある企業の一つです。

2025年度は総収益77億ユーロ、純売上高74億ユーロを記録し、主要成長製品が全社業績を大きく押し上げました。

一方で、bimekizumab、rozanolixizumab、fenfluramine、dapirolizumab pegol、bepranemab、galvokimigなど、複数領域で開発が進行しています。今後は、製品数と適応数の拡大に合わせて、MR、KAM、MSL、マーケティング部門の再編や増員が進む可能性があります。

77億ユーロ 2025年度総収益
+32% 純売上高成長率
22億ユーロ超 BIMZELX売上高
26億ユーロ 調整後EBITDA

2025年度は売上・利益ともに大幅成長

UCBの2025年度総収益は77億ユーロで、前年比26%増、恒常為替レートベースでは29%増となりました。

純売上高は74億ユーロに達し、前年比32%増、恒常為替レートベースでは35%増となっています。

調整後EBITDAは26億ユーロで前年比79%増、調整後EBITDA利益率は34%まで拡大しました。

指標 2025年度実績 ポイント
総収益 77億ユーロ 前年比26%増
純売上高 74億ユーロ 前年比32%増
調整後EBITDA 26億ユーロ 前年比79%増
コアEPS 9.99ユーロ 前年から2倍以上

UCBの主要5成長製品は合計33億ユーロの純売上高を生み出し、前年から2倍以上に拡大しました。

単一製品だけに依存する構造ではなく、免疫、神経、希少疾患の複数製品が同時に成長している点がUCBの強みです。

BIMZELXがUCB最大の成長ドライバーへ

BIMZELX(bimekizumab)は、IL-17AとIL-17Fを同時に阻害する抗体医薬です。

2025年の純売上高は22億ユーロを超え、2024年度から200%以上増加しました。50カ国以上で承認され、11万6,000人を超える患者に使用されています。

乾癬、乾癬性関節炎、体軸性脊椎関節炎、化膿性汗腺炎など複数適応を持ち、特に化膿性汗腺炎では発売から約10カ月で32%を超える動的患者シェアを獲得しました。

さらに、掌蹠膿疱症を対象とした第3相プログラムや、乾癬性関節炎におけるrisankizumabとの直接比較試験も進められています。

MR組織への影響 BIMZELXは皮膚科だけでなく、リウマチ科や化膿性汗腺炎を診療する専門施設まで対象が広がっています。適応追加が続けば、皮膚科中心の組織から、皮膚科・リウマチ科を横断する専門組織へ進化する可能性があります。

RystiggoとZilbrysqが希少神経領域で成長

UCBの希少神経疾患領域では、Rystiggo(rozanolixizumab)Zilbrysq(zilucoplan)が成長を続けています。

2025年のRystiggo売上高は3億3,200万ユーロで前年比65%増、Zilbrysqは2億1,700万ユーロで前年の約3倍となりました。

UCBは、同一疾患に対してFcRn阻害薬とC5阻害薬の2剤を持つ、独自のポートフォリオを構築しています。

これは単なる製品数の多さではなく、患者の抗体型、症状、治療目標、投与方法の希望に応じて、異なる機序を提案できることを意味します。

rozanolixizumabの長期データ

2026年の国際神経筋疾患学会では、rozanolixizumabの症状に応じた反復サイクル投与について、長期データが発表されました。

  • 複視や眼瞼下垂など眼症状で反復して改善
  • 構音、咀嚼、嚥下、呼吸、四肢筋力でも一貫した改善
  • MuSK抗体陽性患者でもMG-ADLとQMGが改善
  • 反復投与によって有害事象発現率が増加しなかった

MuSK抗体陽性gMG患者では、MG-ADLの加重平均が10.4から5.2へ、QMGが16.8から9.4へ改善しました。

少数例の解析ではあるものの、希少なMuSK抗体陽性患者で継続的な効果が確認された点は重要です。

眼筋型MGへの展開

rozanolixizumabは、全身型重症筋無力症に加えて、眼筋型重症筋無力症でも開発されています。

眼筋型MGは、複視や眼瞼下垂が中心でありながら生活の質への影響が大きく、治療選択肢が限られる領域です。

適応追加が実現すれば、神経内科だけでなく、神経眼科、眼科との連携が強まり、MRの訪問対象施設も広がる可能性があります。

Zilbrysqは自己注射デバイスと長期効果を強化

Zilbrysqでは、プレフィルドペンのユーザビリティ試験と、長期有効性データが報告されました。

プレフィルドペンの試験では、事前トレーニングを受けていない成人患者、介護者、医療従事者の90%が、初回の試行で注射を成功させました。

針が見えないボタンレス型のデバイスであり、自己注射経験のない患者や介護者でも使用しやすい設計とされています。

また、RAISEおよびRAISE-XTの解析では、咀嚼、会話、嚥下、眼瞼下垂、整容動作など幅広い症状で改善が確認され、120週まで持続しました。

営業活動で重要になる点 今後は薬剤の有効性だけでなく、自己注射の導入支援、患者教育、看護師や薬剤師との院内連携まで含めた提案が必要になります。MRには製品説明以上のアカウントマネジメント力が求められます。

rozanolixizumabはMOG抗体関連疾患にも展開

rozanolixizumabは、眼筋型MGに加えて、MOG抗体関連疾患でも開発されています。

MOG抗体関連疾患は、視神経炎、脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎などを呈する希少な中枢神経炎症性疾患です。

適応が拡大すれば、現在の神経筋疾患担当だけでなく、神経免疫、視神経炎、中枢神経炎症を専門とする施設への対応が必要になります。

fenfluramineはRett症候群、CDKL5欠損症へ

FINTEPLA(fenfluramine)は、Dravet症候群とLennox-Gastaut症候群を中心に成長しており、2025年売上高は4億2,700万ユーロ、前年比26%増でした。

開発はRett症候群とCDKL5欠損症へ広がっています。

これらはいずれも希少な小児神経疾患であり、てんかん発作だけでなく、発達、運動、呼吸、栄養、家族負担を含めた包括的な支援が必要です。

UCBがこれらの適応を取得すれば、小児神経専門MR、患者支援、メディカル部門のさらなる強化が考えられます。

免疫領域ではSLEと新規多重特異性抗体に注目

dapirolizumab pegol

dapirolizumab pegolは、CD40Lを標的とする抗体医薬で、全身性エリテマトーデスを対象に開発されています。

SLEは患者ごとの病態差が大きく、既存治療で十分な疾患コントロールが得られない例も少なくありません。

承認に至れば、UCBは現在の皮膚・リウマチ領域に加え、膠原病専門領域で新たな柱を持つことになります。

galvokimig

galvokimig(UCB9741)は、IL-13とIL-17A/Fを同時に標的とする多重特異性抗体です。

アトピー性皮膚炎に加えて、非嚢胞性線維症気管支拡張症と慢性閉塞性肺疾患でも開発されています。

2型炎症と17型炎症を同時に抑えることで、従来の単一サイトカイン阻害薬とは異なる患者層を狙う戦略です。

呼吸器領域で成功すれば、UCBは皮膚・リウマチ・神経に続き、呼吸器MR組織を本格的に構築する可能性があります。

bepranemabとglovadalenで中枢神経領域を強化

bepranemabはタウを標的とする抗体医薬で、アルツハイマー病を対象に開発されています。2026年2月にはFDAからFast Track Designationを受けました。

glovadalenはD1受容体ポジティブアロステリックモジュレーターで、パーキンソン病を対象に開発されています。

いずれも開発リスクの高い中枢神経領域ですが、成功すれば対象患者数と市場規模は大きく、現在の希少神経中心の営業体制とは異なる大規模な組織が必要になります。

今後の開発パイプライン

開発品 作用機序 主な適応
bimekizumab IL-17A/F阻害 掌蹠膿疱症、PsA直接比較試験
rozanolixizumab FcRn阻害 MOG抗体関連疾患、眼筋型MG
fenfluramine 5-HT、Sigma-1 CDKL5欠損症、Rett症候群
dapirolizumab pegol CD40L阻害 全身性エリテマトーデス
bepranemab 抗タウ抗体 アルツハイマー病
glovadalen D1受容体PAM パーキンソン病
galvokimig IL-13、IL-17A/F アトピー性皮膚炎、NCFB、COPD
STACCATO alprazolam ベンゾジアゼピン 遷延性発作

米国製造拠点への50億ドル投資

UCBは、米国の抗体製造キャンパスへ50億ドルを投資する計画を発表しています。

また、BIMZELXのグローバル社内製造も開始し、供給能力とサプライチェーン管理を強化しています。

大型投資は、同社が現在の製品成長を一時的なものではなく、長期的な成長フェーズと捉えていることを示しています。

製造能力が拡大すれば、適応追加、新薬上市、対象国拡大を同時に進めやすくなり、営業・メディカル組織への追加投資も行いやすくなります。

転職MRが注目すべき組織拡大の可能性

UCBの組織拡大は、単純なMRの一括増員ではなく、製品や疾患ごとの専門性を高める方向で進む可能性があります。

  • BIMZELXの適応拡大に伴う皮膚科・リウマチ科MRの強化
  • 眼筋型MG、MOG抗体関連疾患に対応する神経免疫MRの増員
  • RystiggoとZilbrysqを扱う希少疾患KAM体制の高度化
  • SLE上市に備えた膠原病・リウマチ専門組織の新設
  • galvokimig成功時の呼吸器・アレルギー部門立ち上げ
  • Rett症候群、CDKL5欠損症に対応する小児神経部門の強化
  • アルツハイマー病、パーキンソン病開発進展時のCNS大規模組織構築

特に現在のUCBでは、1人のMRが単一製品だけを担当するよりも、同一疾患で複数の治療選択肢を扱い、施設全体の治療方針に関与する役割が重要になっています。

大学病院担当、神経内科、皮膚科、リウマチ科、希少疾患、自己注射製剤の導入経験を持つMRは、今後も評価されやすいと考えられます。

採用拡大を判断する注目ポイント

今後UCBの採用が拡大するかを見る際は、次の動きを確認することが重要です。

  • rozanolixizumabの眼筋型MG、MOG抗体関連疾患の試験進展
  • dapirolizumab pegolの承認申請と上市準備
  • galvokimigの後期試験入り
  • MRより先行するマーケティング、MSL、トレーニング職の求人
  • 疾患領域別の事業部長、営業部長採用
  • 新たなCSO活用や契約MRプロジェクト

一般的に、組織立ち上げではMR求人より先に、メディカル、マーケティング、マーケットアクセス、営業企画職が動きます。

UCBの採用動向を見る際も、公開されているMR求人だけでなく、LinkedInやグローバル採用ページで本社機能の求人を追うことが重要です。

まとめ

UCBは2025年度に売上高と利益を大きく伸ばし、BIMZELX、Rystiggo、Zilbrysq、FINTEPLAを中心とする成長ポートフォリオを確立しました。

同時に、眼筋型MG、MOG抗体関連疾患、SLE、Rett症候群、CDKL5欠損症、アルツハイマー病、パーキンソン病、COPDなど、多数の新規適応・新規領域へ開発を広げています。

今後は、現在の免疫・希少神経中心の組織に加え、リウマチ、呼吸器、小児神経、中枢神経を含む新たな専門組織が必要になる可能性があります。

転職MRの視点では、UCBは既存製品の営業力だけでなく、将来の事業部立ち上げや新領域進出まで含めて注目すべき企業です。

特に、大学病院、神経内科、皮膚科、リウマチ科、希少疾患で実績を持つMRにとっては、今後もキャリア機会が生まれやすい企業といえるでしょう。

参考情報

UCB Pipeline information.

UCB presents latest data from its targeted generalized myasthenia gravis treatment portfolio at International Congress on Neuromuscular Diseases 2026. July 8, 2026.

UCB 2025年度決算および事業アップデート。

ジェイエイシーリクルートメント

※本記事は、ご提示いただいたUCBのパイプライン、臨床データ、決算情報を基に構成しています。将来の承認、上市、採用、組織拡大を保証するものではありません。

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