【2027年MR転職】アムジェン、バイオシミラー部隊立ち上げの可能性?KAM・営業所長の大型採用とバイオシミラーMRの将来性
2027年のMR転職市場を追っている中で、最近かなり気になる動きがあります。
バイオシミラー領域で、KAM(Key Account Manager)と営業所長クラスを中心とした比較的大きな採用案件が動いています。
詳細については非公開情報を含むため本記事では控えますが、単発の欠員補充というよりも、今後のバイオシミラー市場を考えるうえで注目しておきたい動きです。
そして、このタイミングでぜひ押さえておきたい企業があります。
アムジェンです。
アムジェンでは現在、オプジーボ®(ニボルマブ)のバイオシミラー候補ABP 206を開発しています。
さらに、その先にはキイトルーダ®(ペムブロリズマブ)のバイオシミラー候補ABP 234、オクレバス®(オクレリズマブ)のバイオシミラー候補ABP 692なども存在します。
これまで「バイオシミラーMR」と聞いて、どんなイメージを持っていたでしょうか。
「先発品より安い薬を売る営業」
「新薬MRよりキャリア価値が低いのでは?」
そんな印象を持っているMRも少なくないと思います。
しかし、抗PD-1抗体をはじめとする大型バイオ医薬品がバイオシミラー時代へ入ると、その常識が変わる可能性があります。
今回は、アムジェンの公開情報をもとに、
- アムジェンのバイオシミラー戦略
- オプジーボBS候補「ABP 206」とは何か
- なぜKAM型営業が重要になるのか
- バイオシミラーMRの将来性
- 新規組織へ転職するメリット・リスク
- 2027年のMR転職で注目したいポイント
について考えてみます。
※最初に重要な点ですが、本記事で触れるKAM・営業所長クラスの採用案件とアムジェンの公開情報は、それぞれ別の情報として扱っています。本記事は当該案件の募集企業がアムジェンであると断定するものではありません。
- ■ バイオシミラー領域でKAM・営業所長クラスの大型採用が動く
- ■ なぜ今「バイオシミラー×KAM」なのか?
- ■ そして注目したいのがアムジェン
- ■ オプジーボのバイオシミラー候補「ABP 206」
- ■ さらに「キイトルーダBS」も控えている
- ■ バイオシミラーMRは「新薬MRより市場価値が低い」のか?
- ■ KAM経験はその先のキャリアにつながるか
- ■ 一方で「バイオシミラーだから安心」ではない
- ■ 「KAM」という肩書だけで判断しない
- ■ 営業所長クラスの大型採用も見逃せない
- ■ 2027年のMR転職では「バイオシミラー」を食わず嫌いしない
- ■ 新規組織への転職で見るべきなのは「年収」だけではない
- ■ 今回のKAM・営業所長案件が気になる方へ
- ■ まとめ|「新薬MRだけが正解」という時代ではなくなるかもしれない
■ バイオシミラー領域でKAM・営業所長クラスの大型採用が動く
まず、MRの皆さんに共有しておきたいのが転職市場側の動きです。
現在、私が確認している範囲では、バイオシミラーを扱うKAMと営業所長クラスを中心とした比較的大きな採用案件が動いています。
全国を視野に入れたポジションであり、単一の疾患・単一製品だけを見るのではなく、複数領域・製品へ関わる可能性もある案件です。
これ以上の具体的な採用条件については、非公開情報との線引きを考慮して本記事では掲載しません。
ただ、キャリアという観点では、ここに重要なポイントがあります。
「MR大量採用」ではなく、「KAM」「営業所長」というポジションが大きく動いていることです。
これは今後のバイオシミラー営業を考えるうえで興味深いキーワードだと思っています。
■ なぜ今「バイオシミラー×KAM」なのか?
バイオシミラー営業を、従来のMR活動とまったく同じものとして考えると本質を見誤る可能性があります。
大型病院にバイオシミラーを導入する場合、重要なステークホルダーは処方医だけとは限りません。
例えば、
- 診療科
- 薬剤部
- 病院経営
- 医薬品採用に関わる院内組織
- 地域連携
- フォーミュラリ
- 医療経済
など、施設全体を見る必要性が高まります。
そこで重要になるのがAccount Managementという考え方です。
従来型の、
「担当医師に面会する」
「製品情報を提供する」
「処方を獲得する」
という営業モデルだけではなく、
「この病院というAccount全体の意思決定を理解する」
ことが求められる可能性があります。
その意味で、バイオシミラー市場の拡大はMRからKAMへキャリアを広げたい人にとっても注目すべき変化だと考えています。
■ そして注目したいのがアムジェン
ここからは求人情報とは切り離して、公開情報からアムジェンの動きを見ていきます。
アムジェンはバイオ医薬品を開発する新薬メーカーであると同時に、世界的にバイオシミラー事業を展開している企業です。
アムジェンの2026年Proxy Statementによれば、2025年のバイオシミラーポートフォリオの売上は30億ドル、前年比37%成長でした。
さらにアムジェンは、承認済み・開発中を合わせた11のバイオシミラー医薬品ポートフォリオに20億ドル以上を投資してきたと説明しています。
つまりアムジェンにとってバイオシミラーは、単なる補助的なビジネスではありません。
すでに数十億ドル規模へ成長している事業なのです。
■ オプジーボのバイオシミラー候補「ABP 206」
その中でも日本のMRにとって非常に興味深いのがABP 206です。
ABP 206は、抗PD-1抗体オプジーボ®(一般名:ニボルマブ)のバイオシミラー候補です。
アムジェンはABP 206について、切除Stage IIIまたはIV悪性黒色腫を対象とした比較試験で、薬物動態の類似性に関する主要評価項目を達成したことを公表しています。
さらに別の比較臨床試験も進められています。
そして日本のMRにとって重要なのが、日本もABP 206の開発プログラムに含まれていることです。
厚生労働省の臨床研究等提出・公開システム(jRCT)には、切除Stage IIIまたはIV黒色腫を対象としてABP 206とオプジーボの薬物動態の類似性などを比較するPhase III企業治験が登録されています。
つまりABP 206は、単に海外で開発されているだけのバイオシミラー候補ではありません。
日本での開発実績を持つプログラムとして見ることができます。
■ さらに「キイトルーダBS」も控えている
アムジェンのバイオシミラー戦略を考える場合、ABP 206だけを見てはいけません。
現在、さらに注目すべき候補があります。
| 候補 | 参照製品 | 主な領域 |
|---|---|---|
| ABP 206 | オプジーボ®(ニボルマブ) | オンコロジー |
| ABP 234 | キイトルーダ®(ペムブロリズマブ) | オンコロジー |
| ABP 692 | オクレバス®(オクレリズマブ) | 神経・免疫 |
特にABP 234は、世界最大級のオンコロジー製品であるキイトルーダのバイオシミラー候補です。
アムジェンの2026年第2四半期発表によると、ABP 234では早期非扁平上皮非小細胞肺がんを対象とした薬物動態類似性試験と、進行・転移性非扁平上皮非小細胞肺がんを対象とした比較試験が進められています。
日本のjRCTにもABP 234とキイトルーダを比較するPhase III企業治験が登録されています。
さらにABP 692では、再発寛解型多発性硬化症を対象としてオクレバスとの比較開発が進められています。
こうして見ると、
オプジーボ
↓
キイトルーダ
↓
オクレバス
という非常に大きなバイオ医薬品市場をターゲットにしたパイプラインが形成されています。
■ バイオシミラーMRは「新薬MRより市場価値が低い」のか?
ここはMRのキャリアを考えるうえで非常に重要です。
「せっかく新薬メーカーにいるのに、バイオシミラーを担当する意味があるのか?」
そう考える人もいるでしょう。
私は、製品カテゴリーだけでキャリア価値を判断するべきではないと思っています。
例えば、バイオシミラーを担当しながら、
- 大学病院・基幹病院のAccount Management
- 薬剤部との交渉
- 院内採用プロセスへの対応
- フォーミュラリへの対応
- 医療経済を含めた提案
- 複数診療科のStakeholder Management
- 新規組織のLaunch
- 新しい営業モデルの構築
などを経験できるのであれば、単なる「バイオシミラー販売経験」とは意味が違います。
Account Management経験として次のキャリアへつなげられる可能性があります。
■ KAM経験はその先のキャリアにつながるか
MRのキャリア後半戦を考えると、全員が営業所長になる必要はありません。
専門性を深める方向もあります。
その一つがKAMです。
例えば、
MR
↓
大学病院・基幹病院担当
↓
KAM
↓
Strategic Account / National Account
↓
Commercial Leadership
といったキャリアを描くこともできます。
特に今後、MRの人数そのものが減少していく環境では、
「何人の医師を訪問できるか」ではなく、「重要Accountをどう動かせるか」
という能力の価値が高まる可能性があります。
■ 一方で「バイオシミラーだから安心」ではない
もちろんリスクもあります。
① 価格競争
バイオシミラー市場では、製品そのものの臨床的価値だけでなく、価格、供給、採用条件など複数の要素が競争力に影響します。
② 競合企業
巨大市場ほど複数企業が参入する可能性があります。
先行して承認されたとしても、その後に競争環境が変化する可能性があります。
③ 特許・市場参入時期
バイオシミラーでは、承認取得=即上市とは限りません。
特許や市場参入時期もCommercial valueを左右します。
④ 新しい組織特有の不確実性
もし新規組織・新規チームへの転職を検討する場合には、
- 組織構造
- KPI
- 評価制度
- 担当範囲
- Managerの経験
- 社内連携
- 中長期的なキャリアパス
などを確認する必要があります。
「立ち上げだから面白そう」だけで転職を決めるのは危険です。
■ 「KAM」という肩書だけで判断しない
今回のような案件を見るときに、私なら必ず確認したいことがあります。
「その会社におけるKAMとは何をする仕事なのか?」
です。
会社によってKAMの定義はかなり違います。
通常のMRに近いKAMもあれば、施設全体のAccount Strategyを担うKAMもあります。
転職時には、
- 担当Account数
- 売上責任の範囲
- 医師以外のStakeholderへの関与
- 薬剤部との関係
- 院内採用への関与
- 価格・契約関連への関与範囲
- MRとの役割分担
- 上位ポジションへのCareer Path
などを確認したいところです。
■ 営業所長クラスの大型採用も見逃せない
今回私が注目しているもう一つのポイントが、KAMだけでなく営業所長クラスでも比較的大きな採用が動いていることです。
ここから具体的な組織構造や将来の採用人数を推測することはできません。
ただ、Manager層とKAM層の双方で動きがあるという事実は、今後のMR転職市場を追ううえでチェックしておきたい材料です。
そして今後、
- 通常MR
- KAM
- 営業所長
- Market Access
- Medical
などでどのような動きが出てくるのか。
私は継続的に追っていきたいと思っています。
■ 2027年のMR転職では「バイオシミラー」を食わず嫌いしない
ここまで見てくると、バイオシミラーに対する印象が少し変わるのではないでしょうか。
今後バイオシミラー化していく対象は、単なる昔の抗体医薬品だけではありません。
オプジーボ。
キイトルーダ。
オクレバス。
巨大市場を形成したバイオ医薬品が、次々と対象になっていきます。
その市場を攻略する営業モデルが従来型MRと同じなのか。
それともKAM中心へ変わるのか。
これは今後数年間の製薬営業を見るうえで非常に面白いテーマです。
■ 新規組織への転職で見るべきなのは「年収」だけではない
新しい組織の求人が出るとSNSでは、どうしても
「年収はいくら?」
「何人採用?」
「どこの会社?」
という話に集中します。
しかし、本当に重要なのはその先です。
その会社へ入った3年後、自分に何が残るのか。
例えば、
- KAM経験
- Launch経験
- Oncology経験
- 基幹病院Account経験
- 医療経済への理解
- Manager経験
- 新組織構築経験
などです。
年収100万円の違い以上に、こうした経験がその後の10年間のキャリアを左右することがあります。
■ 今回のKAM・営業所長案件が気になる方へ
バイオシミラー領域の案件情報について
今回の記事で触れたKAM・営業所長クラスの案件については、私が情報提供を受けている転職エージェントがあります。
非公開情報をブログ上に掲載することは控えていますので、詳細を確認したい方はXのDMで「バイオシミラー案件」とだけ送ってください。
公開可能な範囲をご案内し、実際に求人の説明を希望される場合には、案件を取り扱っている転職エージェントの正式な窓口をご案内します。
その後の求人説明、応募意思の確認、応募、選考等については、転職エージェントと直接やり取りしていただく形となります。
※求人は募集状況等により内容変更・終了となる場合があります。また、本記事は特定企業が今後特定の職種・人数を採用することを予測・保証するものではありません。
■ まとめ|「新薬MRだけが正解」という時代ではなくなるかもしれない
2027年のMR転職市場を考えるうえで、私はバイオシミラーをかなり注目しています。
理由は単純です。
対象となる薬の規模が変わってきているからです。
オプジーボやキイトルーダのような大型オンコロジー製品がバイオシミラー時代へ向かえば、Commercial組織のあり方も変化する可能性があります。
そしてアムジェンは、ABP 206だけではなく、ABP 234、ABP 692など複数のバイオシミラー候補を開発しています。
一方、転職市場ではバイオシミラー領域でKAM・営業所長クラスを中心とした大きな動きも確認されています。
この2つを直接結び付けて考えることはできません。
しかし、
「大型バイオ医薬品の特許切れ」
と、
「製薬営業のMR→KAM化」
という2つの変化は、これからのMRキャリアを考えるうえで追い続ける価値があるテーマだと思います。
バイオシミラーだから。
新薬ではないから。
そんな理由だけで求人を除外するのではなく、
「そこで何を経験できるのか?」
まで確認して判断する。
2027年のMR転職では、この視点がますます重要になるのではないでしょうか。
※本記事は公開情報および筆者が入手した案件情報のうち公開可能な範囲をもとに作成しています。個別の非公開求人と記事内で取り上げた企業・製品との関連性を示すものではありません。医薬品の開発状況、承認状況、求人状況等は今後変更される可能性があります。

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