※本記事には転職関連の情報を含みます。求人は募集状況等により変更・終了する場合があります。
2027年に向けて、製薬業界の転職市場が少しずつ動き始めています。
最近私が確認している求人を見ても、単発の欠員補充だけではありません。
MR。
KAM。
営業所長。
そして、
バイオシミラー。
ワクチン。
オンコロジー。
呼吸器。
免疫・皮膚科。
複数の領域・職種で採用の動きが確認されています。
中でも注目したいのが、アムジェンやGSKなどで見られる比較的大きな採用の動きです。
今回は個別求人票を並べるのではなく、
「なぜ今、製薬企業の営業組織が動いているのか?」
という視点から、2027年のMR転職市場を考えてみます。
最初に重要な点です。
本記事では、私が確認している求人情報のうち、企業側・エージェント側で公開範囲が限定されている情報について、採用人数・詳細な勤務地・年収・選考条件等をそのまま転載することはしていません。
また、採用情報から将来の組織構造や追加募集を断定するものでもありません。
現在確認できる「動き」を、MRのキャリアという観点から整理しています。
- ■ 2027年に向け、複数の外資製薬企業で採用が動いている
- ■ 最大の注目は「MRだけではない」こと
- ■ アムジェンで複数の営業ポジションが動く
- ■ なぜアムジェンのバイオシミラーが重要なのか
- ■ KAMの大型採用が意味するもの
- ■ もう一つの大型採用テーマが「ワクチン」
- ■ オンコロジーでは複数企業が同時に動く
- ■ 呼吸器も「複数社」で動いている
- ■ 免疫・皮膚科でも注目企業が動く
- ■ 2027年のMR転職市場から見えてくる3つの変化
- ■ ただし「大型採用=チャンス」と即断しない
- ■ 求人票より確認したい7つの質問
- ■ 一番重要なのは「入社3年後の自分」
- ■ 求人が出てから情報収集を始めない
- ■ 今回紹介した案件について
- ■ まとめ|2027年のMR転職市場はすでに動き始めている
■ 2027年に向け、複数の外資製薬企業で採用が動いている
現在私が確認している範囲では、複数の外資系製薬企業で営業系ポジションが動いています。
大きく分類すると、次のような領域です。
| 領域 | 確認されている動き | 注目ポイント |
|---|---|---|
| バイオシミラー | KAM・営業所長クラスを含む比較的大きな採用 | Account Management型営業 |
| 骨領域 | MRで複数エリアの採用 | 既存事業・Commercial体制 |
| ワクチン | 全国規模を意識したMR採用 | 大規模Field Force |
| オンコロジー | 血液がん・固形がんで複数企業 | Specialty経験 |
| 呼吸器 | 複数企業・複数地域 | 専門性+基幹病院 |
| 免疫・皮膚科 | Specialty MR求人 | 競争力の高い専門領域 |
重要なのは、
「どの会社が何人募集しているか」だけを見ることではありません。
むしろ、
どの領域で、どの職種から組織が動いているのか。
ここを見る方が、今後のMR転職市場を考えるうえでは面白いと思っています。
■ 最大の注目は「MRだけではない」こと
今回の求人群を見ていて特に興味深いのが、MRだけではないことです。
KAM(Key Account Manager)。
1st Line Manager・営業所長。
こうしたポジションでも比較的大きな採用の動きがあります。
これは重要です。
なぜなら、営業組織を考えるとき、
MRの人数だけでは組織の方向性は分からない
からです。
例えば、
MRを大量配置する組織。
KAM中心の少人数組織。
MR+KAM。
Specialty MR+KAM。
さまざまなCommercial Modelがあります。
2027年以降の製薬営業を考えるなら、
「MRが何人増えるか」だけではなく、「どんな営業モデルへ変わるのか」
を見る必要があります。
■ アムジェンで複数の営業ポジションが動く
今回、特に注目したい企業の一つがアムジェンです。
私が確認している範囲では、
バイオシミラー領域のKAM。
営業所長クラス。
さらに別領域のMRでも比較的大きな採用の動きがあります。
ここでは詳細な人数・地域・条件までは記載しません。
ただし、単一ポジションだけではなく、複数の営業レイヤーで求人が存在する点は注目しておきたいところです。
■ なぜアムジェンのバイオシミラーが重要なのか
アムジェンというと、革新的な新薬を開発するBiotech / Pharma企業という印象が強いかもしれません。
しかし同時に、世界的にバイオシミラー事業を展開している企業でもあります。
アムジェンの公開情報によると、2025年のバイオシミラーポートフォリオはグローバルで30億ドル規模の売上に達し、前年比でも大きく成長しています。
さらに、今後の候補として、
- オプジーボ®のバイオシミラー候補
- キイトルーダ®のバイオシミラー候補
- オクレバス®のバイオシミラー候補
などが開発されています。
ここで重要なのは、バイオシミラーを単なる「安価な後発品」と見ないことです。
世界最大級のバイオ医薬品が次々と特許満了へ向かう中で、バイオシミラーは製薬企業にとって大きなCommercial Marketになっています。
その市場を攻略する営業組織が、従来型MR中心なのか。
KAM型になるのか。
MR+KAMになるのか。
非常に興味深いテーマです。
■ KAMの大型採用が意味するもの
KAMはKey Account Managerです。
通常のMRとの最大の違いは、
「医師を担当する」より、「Account全体を見る」
という考え方です。
大型病院でバイオシミラーを導入する場合、関係者は処方医だけとは限りません。
- 診療科
- 薬剤部
- 病院経営
- 院内採用に関わる部門
- 地域連携
- フォーミュラリ
- 医療経済
など、複数Stakeholderを見る必要があります。
そのため、バイオシミラーとKAMは非常に相性の良い組み合わせとも考えられます。
MRキャリアとしても注目です。
今後、
MR → 大学病院担当 → KAM → Strategic Account
というキャリアパスが、これまで以上に存在感を増す可能性があります。
営業所長になることだけが、MRの次のキャリアではありません。
■ もう一つの大型採用テーマが「ワクチン」
そして今回、もう一つ注目したいのがGSKのワクチン領域です。
ワクチン領域でも、主要都市を中心として比較的大きな採用の動きが確認されています。
バイオシミラーとワクチン。
製品特性は全く違います。
しかし共通しているのは、
一定規模のField Forceが必要になる可能性があるBusiness
ということです。
希少疾患のような少人数精鋭モデルだけではなく、2027年に向けては、こうした比較的大きな営業組織の採用にも注目したいところです。
■ オンコロジーでは複数企業が同時に動く
大型採用とは少し性格が違いますが、今回の求人群でもう一つ非常に目立つのがオンコロジーです。
現在、
血液がん。
固形がん。
双方で複数企業の採用が確認されています。
さらに、MRだけではなくManagerクラスのポジションもあります。
オンコロジーは以前からMR転職市場で人気の高いSpecialty領域ですが、2027年に向けても引き続き注目領域となりそうです。
■ 呼吸器も「複数社」で動いている
呼吸器でも複数の外資系企業が採用を行っています。
特徴的なのは、東京・大阪だけではなく、地方エリアにも求人が存在することです。
地方在住MRにとって、これは重要です。
MR転職では、どれだけ魅力的な会社でも、
「勤務地が合わない」
だけで候補から外れることがあります。
その意味では、地方求人が複数出ている現在は、転職市場を見る良いタイミングとも言えます。
■ 免疫・皮膚科でも注目企業が動く
免疫・皮膚科でも外資系企業のSpecialty MR求人が確認されています。
この領域は、
Biologics。
自己免疫疾患。
大学病院。
KOL。
Specialty Sales。
といったCareer Assetを作りやすい領域でもあります。
現在プライマリ領域にいるMRが、今後Specialtyへ移りたい場合にも注目したいところです。
■ 2027年のMR転職市場から見えてくる3つの変化
① 「MR大量採用」だけではなくなる
今回象徴的なのがKAMです。
これまで製薬営業の大型採用と言えば、
「MR○十人」
というイメージが強かったと思います。
しかし今後は、
KAM。
Specialty MR。
Strategic Account。
など、役割を細分化した採用も増える可能性があります。
② Specialty経験の価値が高まる
オンコロジー。
免疫。
呼吸器。
ワクチン。
こうした専門領域の求人が複数存在します。
転職市場では、
「MRを10年しました」
だけではなく、
「何領域で、どのAccountを、どう動かしてきたのか」
がますます重要になります。
③ 地方勤務にもチャンスがある
今回確認できる求人は首都圏だけではありません。
北海道。
東北。
東海。
中国。
四国。
九州。
複数地域に採用があります。
地方在住MRにとっても、2027年の転職市場は確認しておく価値があります。
■ ただし「大型採用=チャンス」と即断しない
大型採用には大きな魅力があります。
同期入社が多い。
新組織を作れる。
Launch経験が積める。
Manager候補になれる。
KAMなど新しいCareerへ進める。
一方、リスクもあります。
- 組織が完成していない
- KPIが変わる
- 担当範囲が変わる
- Managerによる差が大きい
- 製品が想定通り伸びない
- Commercial Model自体が変わる
だから私は、大型採用案件ほど、
「何人採るのか」より、「なぜ採るのか」
を見ることをおすすめします。
■ 求人票より確認したい7つの質問
大型採用案件を紹介されたとき、私なら次の点を確認します。
① 採用背景は何か
② 新規組織なのか、既存組織の拡大なのか
③ 担当製品は単一か、Portfolioか
④ 3年後の組織像はどうなっているか
⑤ KAM・MR・Managerの役割分担は何か
⑥ その仕事でどんなCareer Assetが作れるか
⑦ 製品が想定通り伸びなかった場合に何が残るか
この7つを確認すると、求人票の年収や企業名だけでは見えなかったものが見えてきます。
■ 一番重要なのは「入社3年後の自分」
例えば、
年収が100万円上がる会社。
年収はほぼ変わらないがKAM経験が積める会社。
Launch経験が積める会社。
Oncologyへ行ける会社。
大学病院担当になれる会社。
どれが正解かは人によって違います。
だから見るべきなのは、
「会社名」ではなく「3年後の自分」です。
その会社を辞めることになったとしても、
次の会社でも評価される経験が残るか。
私はこれをExit Valueとして考えることをおすすめしています。
■ 求人が出てから情報収集を始めない
今回のように複数企業が同時に動き始めると、SNSでは一気に情報が増えます。
そのとき初めて、
エージェントを探す。
職務経歴書を書く。
年収相場を確認する。
会社を調べる。
これでは判断材料を揃えるのに時間がかかります。
むしろ今から、
- 職務経歴書を更新
- 2026年実績を整理
- 希望年収を決める
- 希望領域を決める
- 勤務地条件を整理する
- KAM・Managerを含め次のCareerを考える
くらいは準備しておいてよいと思います。
転職する必要はありません。
「良い案件が来たら比較できる状態」を作るだけです。
■ 今回紹介した案件について
2027年に向けた製薬企業の求人情報を確認したい方へ
今回の記事で触れた企業・領域の中には、私が情報提供を受けている転職エージェントが取り扱っている案件があります。
ブログでは、非公開情報や個別求人を特定できる細かな条件については掲載していません。
現在の募集状況や、ご自身のエリアで対象となる案件があるか確認したい方は、XのDMで「2027年求人」と送ってください。
確認できる範囲の情報をご案内し、実際に求人内容を詳しく確認したい場合には、案件を取り扱っている転職エージェントの正式な窓口をご案内します。
求人説明、応募意思の確認、応募、選考調整等については、その後転職エージェントと直接やり取りしていただく形になります。
※募集状況は随時変わります。DMをいただいた時点で募集が終了している場合もあります。また、当ブログが採用・内定を保証するものではありません。
■ まとめ|2027年のMR転職市場はすでに動き始めている
今回確認できている求人を俯瞰すると、2027年のMR転職市場にはいくつか特徴があります。
アムジェンではKAM・営業所長・MR。
GSKではワクチンを含む複数領域。
複数企業で血液がん・固形がん。
呼吸器でも複数社。
免疫・皮膚科でもSpecialty求人。
そして勤務地も首都圏だけではありません。
2027年に向けて、製薬企業のField organizationは少しずつ動いています。
ただし、求人が多いから転職する。
年収が高いから転職する。
有名企業だから転職する。
ではありません。
見るべきなのは、「その会社へ入った3年後、自分に何が残るか」です。
Specialty。
Launch。
University Hospital。
KOL。
KAM。
Account Management。
Leadership。
Market Development。
こうしたCareer Assetが残る会社なのか。
そして、本当に魅力的な求人が出た時に初めて、
「応募する・しない」
を決めればいいと思います。
求人が出てからキャリアを考えるのではなく、
求人が出る前から「選べる状態」を作っておく。
2027年のMR転職では、この準備がこれまで以上に重要になりそうです。
※本記事は2026年9月時点で筆者が確認している求人動向および各社の公開情報をもとに、MRのキャリア形成という観点から整理したものです。求人は募集状況、採用計画等により変更・終了する可能性があります。また、公開情報と非公開求人情報を根拠なく結び付けて将来の採用・組織構造を断定するものではありません。

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