日本における希少疾患の中で、比較的患者数が多いものを以下にまとめました。
各疾患について、世界および国内の患者数、難病指定の有無、そして代表的な分子標的薬の情報を記載します。
疾患名 世界の患者数 国内患者数 難病指定 分子標的薬(製品名) 一般名 メーカー名
シェーグレン症候群
約400万人 約7,000人 指定難病 該当薬なし – –
全身性エリテマトーデス(SLE)
約500万人 約6,000人 指定難病 ベリムマブ(ベンリスタ) ベリムマブ グラクソ・スミスクライン
ベーチェット病
約10万人 約4,000人 指定難病 該当薬なし – –
進行性核上性麻痺
約5万人 約3,000人 指定難病 該当薬なし – –
筋ジストロフィー
約25万人 約2,500人 指定難病 エテプリルセン(エクソンディス51) エテプリルセン サレプタ・セラピューティクス
IgA腎症
約250万人 約2,000人 指定難病 該当薬なし – –
アミロイドーシス
約50万人 約1,500人 指定難病 パチシラン(オンパットロ) パチシラン アルナイラム・ファーマシューティカルズ
ループス腎炎
約50万人 約1,200人 指定難病 該当薬なし – –
顕微鏡的多発血管炎
約10万人 約1,000人 指定難病 リツキシマブ(リツキサン) リツキシマブ 中外製薬
ミトコンドリア病
約1万人 約900人 指定難病 該当薬なし – –
※患者数は推定値であり、情報源や調査時期により異なる場合があります。
※分子標的薬は、全ての疾患に対して存在するわけではありません。
※難病指定は、日本における指定状況を示しています。
これらの疾患は、患者数が少ないため、治療法の開発や医薬品の供給が限られていることが多いです。しかし、近年の医療技術の進歩により、分子標的薬などの新たな治療法が開発されつつあります。これらの薬剤は、特定の分子や遺伝子を標的とすることで、高い治療効果を期待できます。
例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)に対するベリムマブ(商品名:ベンリスタ)は、B細胞活性化因子(BAFF)を阻害することで、疾患活動性を抑制します。また、筋ジストロフィーの一部の型に対するエテプリルセン(商品名:エクソンディス51)は、エクソンスキッピング技術を利用して、欠失したジストロフィン蛋白の産生を促進します。
これらの新規治療法の登場により、希少疾患患者の予後や生活の質が向上することが期待されています。しかし、治療薬の高額さや副作用、適応患者の限定など、課題も多く存在します。引き続き、研究開発や医療体制の整備が求められています。
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