肝臓がん治療の最前線!肝動脈化学塞栓療法(TACE)と分子標的薬を扱うMRのやりがい
こんにちは!バイオベンチャーMRのかいりです。
今回は、2025年3月30日に放送されたNHK Eテレ「チョイス@病気になったとき」で特集された肝臓がんの最新治療について深掘りしていきます。
特に、肝動脈化学塞栓療法(TACE)と分子標的薬を中心に解説し、
これらの治療薬を担当するMRのやりがいや、今後の展望についても考察します。
肝臓がんは日本において依然として死亡率の高い疾患の一つですが、近年では治療の選択肢が広がっています。
それに伴い、MR(医薬情報担当者)の役割もより重要になってきています。
では、肝臓がんの治療の最前線について、詳しく見ていきましょう!
1. NHK「チョイス@病気になったとき」で紹介された肝臓がんの最新治療
3月30日放送の「チョイス@病気になったとき」では、
肝臓がんの最新治療法が取り上げられ、以下のような治療法が紹介されました。
• 肝動脈化学塞栓療法(TACE):抗がん剤を肝臓内に直接注入し、血流を遮断することでがんを兵糧攻めにする治療
• ラジオ波焼灼療法(RFA):高周波を用いてがん細胞を焼き固める治療
• 肝切除術:がんを外科的に切除する治療
• 分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬による薬物療法
これらの治療法を組み合わせることで、患者の状態に応じた最適な治療を選択できるようになっています。
特に近年では、分子標的薬や免疫療法の進歩によって、進行肝がんに対する治療成績が向上しています。
2. 肝動脈化学塞栓療法(TACE)とは?
TACE(Transarterial Chemoembolization)は、肝臓がんにおいて最も一般的に行われる治療法の一つです。
TACEの仕組み
TACEは以下のような流れで行われます。
1. 抗がん剤を肝動脈を通じてがんの近くに直接投与
2. 塞栓物質(ゼラチンスポンジやマイクロスフィア)を用いて血管を塞ぎ、がん細胞への血流を遮断
3. 抗がん剤が長時間がん組織内にとどまり、血流が遮断されることでがん細胞が壊死
TACEの適応
• 手術が難しい肝細胞がん(HCC)
• 肝機能が比較的保たれている患者
• 門脈浸潤がない症例
TACEは長年肝臓がん治療の第一選択肢でしたが、近年では分子標的薬との併用も進められています。
3. 分子標的薬による治療
分子標的薬は、がん細胞の特定の分子を標的として作用し、
がんの増殖や血管新生を抑えることで治療効果を発揮します。
代表的な分子標的薬とメーカー名
薬剤名 メーカー 作用機序 主な副作用
ネクサバール(ソラフェニブ) バイエル マルチキナーゼ阻害 手足症候群、高血圧、下痢
レンビマ(レンバチニブ) エーザイ 血管新生阻害 高血圧、浮腫、出血
カボメティクス(カボザンチニブ) 武田薬品 チロシンキナーゼ阻害 疲労感、高血圧、皮膚障害
スチバーガ(レゴラフェニブ) バイエル VEGFR・TIE2阻害 手足症候群、高血圧
サイラムザ(ラムシルマブ) イーライリリー VEGFR2阻害 出血、浮腫、高血圧
これらの薬剤は、進行肝がんにおいて生存期間の延長が確認されたエビデンスがあります。
特に**ネクサバール(ソラフェニブ)は、肝がんにおける最初の分子標的薬として承認され、
その後登場したレンビマ(レンバチニブ)やカボメティクス(カボザンチニブ)**などが治療の選択肢を広げています。
近年では、アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)+ベバシズマブ(商品名:アバスチン)併用療法が第一選択となるケースも増えています。
4. MRとしてのやりがいとは?
肝臓がんの治療薬を担当するMRには、以下のような重要な役割があります。
① 医師とのディスカッションが深い
肝がん治療は選択肢が多いため、医師と適切な治療戦略について議論する機会が多いです。
分子標的薬の適応や、TACEとの併用の可能性など、より専門性の高い情報提供が求められます。
② 副作用マネジメントのサポート
分子標的薬は副作用が多いため、適切な管理が重要です。
MRとして医師や薬剤師に適切な副作用対策を提供することで、
患者さんの治療継続をサポートできます。
③ 治療の進化を目の当たりにできる
肝がん治療は日々進化しています。
最新のデータや臨床試験結果をいち早くキャッチし、
医療従事者と共有することは、大きなやりがいにつながります。
5. まとめ:肝がん治療の最前線で活躍するMRへ!
肝臓がん治療は、TACEや分子標的薬の進歩によって大きく変わりつつあります。
MRとしてこの分野に関わることで、より多くの患者さんの治療に貢献できるチャンスがあります。
「もっと専門性の高いMRとして活躍したい!」
「最新の治療を扱うMRになりたい!」
そんな方は、ぜひ肝臓がん領域のMRに挑戦してみてください!
次回も最新の製薬業界ニュースをお届けします!
コメント