【投資家MR必見!】リジェネロンの最新決算と今後の成長戦略を徹底解説
2025年4月30日
◆ 筆者の体験談:リジェネロン株を買ったら…いきなり下落!?
「リジェネロンの将来性に賭けよう!」と鼻息荒くNASDAQ:REGN株を購入した筆者。ところが買った直後の2025年4月29日、まさかの決算発表と同時に株価が-6.9%急落。
投資家MRとしての初陣は、笑い話のようなスタートとなってしまいました。
でも実はこれ、「悲観する必要はない」と感じています。業績の一部には陰りが見られるものの、今後の成長戦略や製品パイプラインには確かな光があります。 今回はそんなリジェネロンのQ1決算と今後の展望を、業界目線で徹底的に掘り下げていきます。
◆ 最新Q1決算の要約(2025年4月29日発表)
- 売上高:30.3億ドル(前年同期比 -4%)
- 調整後EPS:8.22ドル(前年同期比 -14%、予想8.41ドル未達)
- 株価:568.91ドル(発表翌日 -6.9%下落)
主力の「Eylea(アイリーア)」が前年同期比26%減となったことが、投資家の失望を招きました。特に高用量製剤(Eylea HD)の製造に関連する課題と、競合製品Vabysmoとの販売競争が要因と見られています。
※出典:Reuters, 2025年4月29日
◆ 製品別の詳細分析
● Eylea(アイリーア)
売上は10億4,000万ドルで、前年同期比26%減。市場予想の11億8,000万ドルを下回りました。
競合であるロシュのVabysmoの台頭、価格圧力、患者支援プログラムの終了が響いた格好です。さらに、Eylea HDのプレフィルドシリンジ版についてFDAから承認拒否を受けたこともネガティブ材料でした。
出典:Reuters, 2025年4月29日
● Dupixent(デュピクセント)
売上高は36億7,000万ドルで、前年同期比19%増と好調。アトピー性皮膚炎、喘息、CRSwNP(鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎)など複数の適応で成長を継続中。
パートナー企業であるSanofiとの共同販促も順調に進んでおり、今後も主力製品として期待されています。
出典:Investor’s Business Daily, 2025年4月29日
● Libtayo(リブタヨ)
皮膚がん・非小細胞肺がん等に使用されるPD-1抗体。売上は2億8,500万ドルで予想を下回る結果となりました。MSDやBMSなどの強力な競合が立ちはだかる分野で、今後の差別化が鍵を握ります。
● Praluent(プラルエント)
PCSK9阻害薬であるプラルエントは、コレステロール低下治療に使用されますが、売上は5,700万ドルと市場予想を下回る結果でした。
◆ リジェネロンの成長戦略:今後の注目ポイント
● 1. パイプラインの充実と後期試験の進展
リジェネロンは現在、35以上の臨床開発プログラムを展開中。特に期待されているのが、
・Eylea HDの再申請
・itepekimab(COPD治療)
・fianlimab(がん免疫治療)
・新たな抗体医薬とRNA技術による新薬群
などです。今後の承認・上市次第では、成長ドライバーの切り替えがスムーズに進む可能性があります。
● 2. 製造拠点の拡大(Fujifilmとの提携)
2025年初頭、米国ノースカロライナ州のFujifilm Diosynth Biotechnologiesと大規模製造契約を締結。
これにより、米国内でのバイオ医薬品製造能力が2倍近くに増強され、安定供給体制が整備される見込みです。
● 3. 株主還元の強化
2024年は26億ドルの自社株買いを実施。さらに2025年には30億ドル規模の新たな買戻し枠を設定しています。
さらに、初となる四半期配当(1株あたり0.80ドル)も導入し、株主還元姿勢を強めています。
出典:MarketScreener, 2025年2月6日
◆ 他の注目製薬株と比較
- アッヴィ(ABBV):SkyriziやRinvoqがHumira後の成長を牽引し、株価は安定上昇。高配当も魅力。
- ベイジーン(BeiGene):中国市場を背景にPD-1抗体「ティスレリ」が拡大中。アムジェンとの提携にも注目。
- エーザイ(4523.T):レカネマブ(アルツハイマー治療薬)の米国市場展開で株価上昇。
医薬品業界全体は、「イノベーション×戦略的提携」が勝敗を分けるフェーズに突入しています。
リジェネロンはその中心にいる企業の1つとして、今後の展開次第で再び市場から高く評価される可能性があります。
◆ 投資家MRとしてのまとめ
リジェネロンのQ1決算には確かに厳しい側面がありましたが、それは短期的な販売トレンドや製品ライフサイクルの影響にすぎません。
中長期的には、新薬開発・製造能力強化・株主還元という3つの柱により、着実な成長が期待されます。
製薬業界に携わるMRとしては、投資先としての製薬企業を「売上やEPS」だけでなく、「パイプラインや業界動向」まで俯瞰して評価する視点が不可欠です。
今後のIRや臨床試験結果に注目しながら、長期目線での投資判断を下していきましょう。
「リジェネロン、まだまだここから!」
そう信じて、今後も株主として応援していきます!
※本記事は特定の投資判断を推奨するものではなく、自己責任のもとでのご判断をお願いいたします。
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