希少疾患研究〜重症筋無力症の分子標的薬〜

重症筋無力症(MG)は、神経と筋肉の接合部における自己免疫反応により、筋力低下を引き起こす疾患です。近年、MGの治療には分子標的薬が導入され、治療の選択肢が広がっています。以下に、主な分子標的薬を分類し、それぞれの特徴を整理します。

1. 補体C5阻害薬

ソリリス®(エクリズマブ)

一般名: エクリズマブ

薬価: 300mg 1バイアルあたり約1,200,000円

メーカー名: アストラゼネカ(旧アレクシオン ファーマ)

投与方法: 静脈内投与

投与スケジュール: 初回600mgを1週間間隔で4回、その後900mgを1回投与し、以降は2週間ごとに900mgを投与

ユルトミリス®(ラブリズマブ)

一般名: ラブリズマブ

薬価: 300mg 1バイアルあたり約1,100,000円

メーカー名: アストラゼネカ(旧アレクシオン ファーマ)

投与方法: 静脈内投与

投与スケジュール: 体重に応じて初回量を投与し、以降は8週間ごとに維持量を投与

ジルビスク®(ジルコプラン ナトリウム)

一般名: ジルコプラン ナトリウム

薬価: 16.6mgシリンジあたり約100,000円

メーカー名: ユーシービージャパン

投与方法: 皮下注射(自己投与可能)

投与スケジュール: 体重に応じて1日1回皮下投与

2. 胎児性Fc受容体(FcRn)阻害薬

リスティーゴ®(ロザノリキシズマブ)

一般名: ロザノリキシズマブ

薬価: 280mgシリンジあたり約200,000円

メーカー名: ユーシービージャパン

投与方法: 皮下注射

投与スケジュール: 体重に応じて週1回、6週間連続投与し、必要に応じてサイクルを繰り返す

ウィフガート®(エフガルチギモド アルファ)

一般名: エフガルチギモド アルファ

薬価: 20mg/mL 1バイアルあたり約300,000円

メーカー名: アルジェニクス ジャパン

投与方法: 静脈内投与

投与スケジュール: 10mg/kgを週1回、4週間連続投与し、必要に応じて繰り返す

3. CD20陽性B細胞阻害薬

リツキサン®(リツキシマブ)

一般名: リツキシマブ

薬価: 100mg 1バイアルあたり約100,000円

メーカー名: 中外製薬

投与方法: 静脈内投与

投与スケジュール: 375mg/m²を週1回、4週間連続投与

これらの分子標的薬は、MGの病態に直接作用し、症状の改善や進行抑制に寄与します。特に、従来の治療で効果が不十分な患者さんに対して、新たな治療の選択肢を提供することができます。

分子標的薬を扱うことのメリット

1. 治療の選択肢を広げる: 分子標的薬は、MGの病態に特異的に作用するため、個々の患者さんに合わせた治療が可能となります。これにより、治療効果の向上や副作用の軽減が期待できます。

2. 患者さんのQOL向上に貢献: 効果的な治療により、患者さんの日常生活の質を向上させることができます。これにより、社会復帰や活動範囲の拡大が可能となります。

3. 最新の医療知識の習得: 分子標的薬は新しい治療法であり、これらを扱うことで最新の医療知識や技術を習得することができます。これにより、医療従事者としてのスキルアップが図れます。

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